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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第33章 最後の雪~天国のあなたへ、今~
あの夜 あなたは降りしきる雪を見上げながら
  何を考えていたのだろう

  風が吹く度に花びらのような純白の雪がくるくると舞い踊り
  それはそれは美しい
  この世のものとも思えない光景だった

あれは あなたと見た一瞬の美しい夢まぼろしだったのだろうか
  風に舞い流される白い花びらの雪片が
  外灯に照らされて 漆黒の闇に咲いた白い華のように浮かび上がっていた
  
あの数日後 あなたは一人で逝った
  二十年の短すぎる生命の終わりに あなたは何を見たのだろうか
  あなたがその瞬間 目にしたものが
  あの夜 私たちが見た美しい光景であるように願う私がいる
  誰にも何も告げず ひとことの書き置きも残さずに
  あなたは春の光に照らされ溶けゆく雪のように
  私の前からいなくなった
  自ら生命を絶たなければならないほど
  何があなたを苦しめたのか
 
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