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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第96章 永遠のライバル~義朝の苦悩と清盛の台頭~
確かに、そのとおりかもしれません。

 義朝は平治の乱を起こし、清盛に討ち滅ぼされました。

 その時、源氏は一旦は衰亡したかと思いきや、
 
 後に義朝の息子頼朝が決起し、逆に平家を滅亡させ、

 ついには鎌倉幕府を築いたのです。

 ドラマでも描いたいたけれど、私自身もドラマを見て居て、清盛の思い描く理想では

 完全な武士の社会を築くのは難しかったと思います。

 武士が頂点に立つ、すなわち、公家を支配しようとするなら、

 その武士が公家の真似事をしていては本末転倒です。

 清盛の目指す理想は、そこに限界があった。

 頼朝はそれに比べて、完全なる武士社会を公家社会から離れて別個に

 作り上げた。

 そのことが源氏の世を確固たるものにし、平家の世が長続きしなかった

 原因ではないでしょうか。

 それはともかく、このドラマは清盛という人の光と影、

 苦悩と歓びを本当によく描いています。

 この巻では、長年の好敵手である義朝が実の父親を切ってまで

 のけたのに、思うように出世できないため、

 激しい葛藤を抱えて、次第に出世の一途を辿る清盛を恨めしく思うようになる。

 清盛はそんな友を残念な口惜しい思いで見つめている。

 義朝のその憤りがやがて平治の乱へとつながり、

 二人の間に決定的な亀裂が走る。

 それがすなわち、源氏と平氏の対立と決裂でもあった。

 
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