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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第127章 春を待つ~冬来たりなば春遠からじ~
不思議なもので
新しい年が来ただけで
寒さ厳しい真冬のただ中でも
降り注ぐ陽光は日ごとに暖かさを増し強くなってゆくような気がする
冬来たりなば春遠からじ
そんな諺がある
人生も同じもの
山あれば谷あって
冬の凍えるような厳しさの次には
暖かな春の陽射しが待っている
湖のように涯(はて)なく蒼く 晴れやかな空を見上げ
いまだ花のない白木蓮をもう一度見る
―冬来たりなば春遠からじ
ゆっくりと春を迎える準備をしている樹が
冬の風に吹かれて優しく笑っているように見えた
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