この作品は18歳未満閲覧禁止です
tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第135章 あの日のあなたの笑顔
そんなあなたをママの傍らで見つめるお父さんの頬は
もう緩みっ放し
―新しいスーツも買ったし、これで就活もできるな。
お父さんが口にした瞬間
あなたの顔が思いきりほころんだ
その笑顔はさっきのよそ行きの微笑みとは違っている
顔中くしゃくしゃにして笑う まさに全開の笑顔
どこかで見たような気がして
一緒懸命に記憶の糸をたぐり寄せる
〝あっ〟と想い出が水底(みなそこ)からぽっかりと浮かび上がるように姿を現した