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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第144章 蜘蛛
「蜘蛛」
夕飯時
ご飯をつけようと炊飯器の蓋を開けた途端
―あ、危ない!
声を上げそうになった
蜘蛛がポトンと蓋からすべり落ち
ご飯の上に落ちた
炊きあがったばかりのご飯からは
白い湯気が立ち上り
蜘蛛は懸命にもがいている
―助けてくれ。
悲痛な声が聞こえてきそうで
私は彼を咄嗟に助けるすべがないものかと考えた
箸を差し伸べれば
彼が咄嗟に掴まることができるのではないだろうか
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