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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第153章 星夜
―わあ、サンタさんだ。
温かな家目指して家路を急ぐ私の耳に
無邪気な子どもの声が飛び込んできた
ふと空を仰げば
鮮やかな赤色の服のサンタクロースがソリに乗って駆けてゆく
光の粉をまき散らしながら
彼はあっという間にトナカイと共に消えていった
サンタがまいた星の粉はキラキラと輝きを放ち
ぬばたま色の空を彩る冬の星座になる
ハッと現に返れば
私はクリスマスイブの賑やかな街の雑踏に取り囲まれ
傍を忙しそうに通行人が行き交っている
男の子もいつしかいなくなっていた
私もまた我が家へと急ぐ足をいっそう速める
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