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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第154章 「令和元年の年の瀬~息子が高野山に還る日に~」
「令和元年の年の瀬~息子が高野山に還る日に~」
Ⅰ「餅つき」
ドーンという大きな音が耳に飛び込んできた
―よーいしょ。
ついで何かを打ち付けるような音に威勢の良い掛け声が重なる
ふと音のした方を見ると
近くのお家が餅つきをしていた
一家総出で お父さんとおじいさんが代わる代わる杵をふるい
奥さんたちが合間に餅をこねている
大人たちの周囲を子どもたちが飛び跳ねている
ふいに懐かしい記憶が浮かび上がった
幼い頃 我が家でも年末になると恒例行事として餅つきが行われていた
父と祖父が杵をふるい
母と祖母が餅をこねた
石臼の中でどんどんできあがる白い餅を
私は傍らで目を丸くして見つめていたものだった
つきたての餅が出来上がってゆくのは子どもの眼には
まるで魔法のように見えた
かなり長い間 餅つきは行われていたと思うのだが
いつしか我が家では見られなくなっていた
Ⅰ「餅つき」
ドーンという大きな音が耳に飛び込んできた
―よーいしょ。
ついで何かを打ち付けるような音に威勢の良い掛け声が重なる
ふと音のした方を見ると
近くのお家が餅つきをしていた
一家総出で お父さんとおじいさんが代わる代わる杵をふるい
奥さんたちが合間に餅をこねている
大人たちの周囲を子どもたちが飛び跳ねている
ふいに懐かしい記憶が浮かび上がった
幼い頃 我が家でも年末になると恒例行事として餅つきが行われていた
父と祖父が杵をふるい
母と祖母が餅をこねた
石臼の中でどんどんできあがる白い餅を
私は傍らで目を丸くして見つめていたものだった
つきたての餅が出来上がってゆくのは子どもの眼には
まるで魔法のように見えた
かなり長い間 餅つきは行われていたと思うのだが
いつしか我が家では見られなくなっていた