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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第162章 「師任堂の深紅の絹の包み」を読んで
この展開はまったく予想できず、私はここで二転三転する話にまたも驚愕し、度肝を抜かれることになった。
ラストの方で、サイムダンの娘メチャンが三人の中でただ一人生き残ったチョロンと話すところがある。
先ほど、私はサイムダンの秘められた過去、情熱をモチーフにした点は小説もドラマも同じだと言ったが、もちろん大きく異なる点もある。それは、このサイムダンの幼なじみにして、生涯のライバルでもあり続けた二人の友の存在だ。
それそれがまったく違った個性を持つ少女たちは、この個性は才能とも言い換えられた。
文章が得意で才知に長けたカヨンはサイムダンに良き刺激を与え続け、踊りが好きなチョロンは長じて母と同じ妓生となった。
この二人の友の存在は物語の中ではなかなか際だっている。二人の親友の存在が主人公のサイムダンという人物をよりいっそう浮き彫りにしているだろう。
ー子どもたちのうんちのついたおしめを洗ってきた手だ。それでも生涯、筆は放さなかった手だった。一生懸命に生きてきたし、恥ずかしいことのない手だった。(抜粋)
そして、サイムダンは自らの手を改めて見やる。
ーそういえばその昔。井戸端で三人の少女が鳳仙花で爪を染めたことがあった。あのときには一番美しかった手だった。(抜粋)
しかし、今、家事に育児に明け暮れ、それでもなおかつ筆を執り続けたサイムダンの手はこの上なく荒れている。しかし、自分の荒れ果てた手を眺め、サイムダンは考える。
ラストの方で、サイムダンの娘メチャンが三人の中でただ一人生き残ったチョロンと話すところがある。
先ほど、私はサイムダンの秘められた過去、情熱をモチーフにした点は小説もドラマも同じだと言ったが、もちろん大きく異なる点もある。それは、このサイムダンの幼なじみにして、生涯のライバルでもあり続けた二人の友の存在だ。
それそれがまったく違った個性を持つ少女たちは、この個性は才能とも言い換えられた。
文章が得意で才知に長けたカヨンはサイムダンに良き刺激を与え続け、踊りが好きなチョロンは長じて母と同じ妓生となった。
この二人の友の存在は物語の中ではなかなか際だっている。二人の親友の存在が主人公のサイムダンという人物をよりいっそう浮き彫りにしているだろう。
ー子どもたちのうんちのついたおしめを洗ってきた手だ。それでも生涯、筆は放さなかった手だった。一生懸命に生きてきたし、恥ずかしいことのない手だった。(抜粋)
そして、サイムダンは自らの手を改めて見やる。
ーそういえばその昔。井戸端で三人の少女が鳳仙花で爪を染めたことがあった。あのときには一番美しかった手だった。(抜粋)
しかし、今、家事に育児に明け暮れ、それでもなおかつ筆を執り続けたサイムダンの手はこの上なく荒れている。しかし、自分の荒れ果てた手を眺め、サイムダンは考える。