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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第168章 憧れと恐れと~30年前の後悔と今、私が思うこと~
結局、私は母の言葉に背を押され、同人会に連絡して「天にてむすばれし」掲載誌の購入を申し込んだ。ところが、しばらくして同人会から連絡があり
ー○○さんと連絡がつきません。転居先も不明です。
とのことだった。同人誌だから、利益追求団体ではない。同人誌に自作を掲載するためには入賞作といえども、掲載費用を負担しなければならないという実情があった。
「天にてむすばれし」は残念なことに、同人誌に掲載はされていなかったので、作品を読むなら作者に連絡を取る必要がある。主宰者の方はわざわざ作者に連絡を取ろうとしてくれたのだが、時は既に遅く転居されていたというのだ。
コスモス文学では会員、同人の後押しをしてくれており、入賞者はマスコミに通知してくれる。それで、地方紙が取材に来てくれることもたまにはあるのだ。
その方も地方紙で取り上げられたらしく、同人会が発行する機関誌でコピーを見た。車椅子に載っている女性が微笑んでいる作者近影があった。
一体、どんな方で、どのようなお話だったのか。ちっぽけなプライドのせいで、今も読めなかったことへの後悔が残る。タイトルとあらすじから大体の想像はつくが、なかなか興味をそそられるものがある。
まだ私が二十代の若かりし頃の話である。三つ子の魂百まで変わらずという。どうやら、ややこしい性格はいまだに健在で、「後宮の烏」を初めて読んだときも、そのときに近いものがあった。
ー○○さんと連絡がつきません。転居先も不明です。
とのことだった。同人誌だから、利益追求団体ではない。同人誌に自作を掲載するためには入賞作といえども、掲載費用を負担しなければならないという実情があった。
「天にてむすばれし」は残念なことに、同人誌に掲載はされていなかったので、作品を読むなら作者に連絡を取る必要がある。主宰者の方はわざわざ作者に連絡を取ろうとしてくれたのだが、時は既に遅く転居されていたというのだ。
コスモス文学では会員、同人の後押しをしてくれており、入賞者はマスコミに通知してくれる。それで、地方紙が取材に来てくれることもたまにはあるのだ。
その方も地方紙で取り上げられたらしく、同人会が発行する機関誌でコピーを見た。車椅子に載っている女性が微笑んでいる作者近影があった。
一体、どんな方で、どのようなお話だったのか。ちっぽけなプライドのせいで、今も読めなかったことへの後悔が残る。タイトルとあらすじから大体の想像はつくが、なかなか興味をそそられるものがある。
まだ私が二十代の若かりし頃の話である。三つ子の魂百まで変わらずという。どうやら、ややこしい性格はいまだに健在で、「後宮の烏」を初めて読んだときも、そのときに近いものがあった。