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第7章 禁欲の日々

翌朝になった。

いつもより２０分早く、私は東桃山駅に着いた。

冴木さんに会うためだ。


冴木さんは駅や電車での犯罪を取り締まる鉄道公安警察の刑事さん。

いろんな駅を巡回する。
巡回のルートと時間は昨日に冴木さんから聞き出した。

だから、冴木さんが東桃山駅にいる時間も分かっている。


期待どおり、冴木さんは東桃山駅のホームにいた。
私は冴木さんに声をかけた。

「痴漢に遭ったら大声で助けを呼ぶんだよ」
冴木さんが言った。

「はいっ！」
私は元気よく返事する。

「千鶴ちゃんは可愛いから、痴漢に遭いやすいと思うから･･･」

冴木さんに可愛いって言われて、気分は完全に舞い上がってしまった。