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大人のポエム
第1章 12/01公開分
『夜が過ぎれば』
夜を迎えれば 赤い三日月が笑う
宵の明星が口元で光っている
柔らかな月は甘い味がする
茨が僕に絡みついた
黒の雲が脱ぎ捨てられる
赤黒い塔が天を衝く
夜に似合わない白の雲も落ちた
雫は既に滴っていた
夜を割れば 月は歪んだ
赤い色は剥げていた
愉悦に歪んで鳴いていた
明星は温い雨に濡れていた
空が弾ける 星が飛ぶ
大地が震える でも止まらない
届かない空目指して
ただひたすら 夜を衝く
昇っているのに 僕は沈んでいる
雨が過ぎれば 白ばむ空
溢れる愛に 君は泣いてくれるだろうか
ぽたぽたと 朝露が垂れていた