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鏡の中から…
第14章 またね


紫雲は夏海を見る

夏海の命は…尽きようとしていた

紫雲は夏海に

「最後の願い、叶えてしんぜよう」

と、言葉を送った

夏海は…とても嬉しそうに笑うと

「少しだけ…元気が欲しいです」

と、答えた

「何日?」

「2日…それだけで…良いです」

「なら2日…何があっても倒れぬ元気を…
お主に送ろう…桃香、夏海に…お前の気を…」

紫雲が呼ぶと…紫雲龍騎の妻

飛鳥井の菩提寺の姫巫女が、何処からともなく現れた

白拍子の衣装に…キラキラと輝く…金線を施し…まるで平安の世の姫みたいな姿だった

桃香は夏海の体に手を掛けた

そして優しく…抱き締めると

紫雲も夏海に向けて…

術を放った



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