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偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
第5章 おうさま
確かにこの腕の太さなら私なんか一撃だろう。けれど、私はもう待てなかった。何度も夢に見たように、今彼と繋がりたかった。
だから掴まれた手をそのままに、服越しにそのサオを撫で上げると、彼の腰が一瞬逃げるようにびくりと反応する。
「……、ふ、知らないからな」
悪戯っ子をたしなめるように口元には笑みを浮かべているけれど、その目には確実に愛欲の熱に翻弄される炎が見て取れる。私はその表情に、声に、胸が高鳴って仕方なかった。
私は頷いてから、その緊張がバレないように視線を下にやって彼の窮屈にしている前を寛げた。そこから下着越しにも、巨大なそれが首をもたげて先端から露が滲んでいるのが見て取れる。
その姿に驚いて一瞬手を止めると、彼が自らパンツと下着を脱ぎ捨ててしまった。隣に横になった露わな彼の姿に私の目は釘付けだ。
鍛え上げられた筋肉。胸元は大きく呼吸によって上下して、細かな筋肉の筋を見せたり隠したりする。その下には、そそり勃つに肉棒が見えた。
「……」
別の生き物のように暗闇の中でてらてらと黒光りして、私の視線にすら感じるように時折ヒクヒクと揺れる。
恐る恐る、下腹にくっつきそうなほどいきり立ったものに手を伸ばす。
ドクドクと脈打つそれは、熱く恐ろしいほど硬直していた。耳元で、密かに切なげな声が聞こえた。
「……怖いか?」
「……」
怖い。確かにこんなにもあからさまに男性の性器を目にすることも初めてだし、想像以上の形、大きさに恐怖している。けれど、頷いたらきっとやめてしまうだろう。
だから、答える代わりに私はそっとその剛直に指を滑らせた。先端から漏れる蜜を指先に擦りつけながら、割れ目に沿ってぬるぬると行き来する。
もう片方の手で、掴みきれないほどの太さに息を飲みながら幹を同じように擦れば、じっと見られるのが恥ずかしいのか私の頭を抱えるようにして甘い吐息を吐いた。
(感じてる……)
ジバル様の反応にホッとして、この大蛇のようなものも彼の一部だと思えば急に愛しさが湧いた。その手をグリグリと動かす。溢れる先走りで手のひらをドロドロにしながら亀頭を包み揉み込むと彼の息が一段と喘ぐのが分かった。
「ふ、……っ!」
「きゃ」
急にものすごい力で両手を掴まれ、上にのしかかられる。私は驚いて、暗闇で息を上げる彼を見た。
「ジバルさ……!」