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エンブレム──奴隷契約編
第4章 契約
「ぐうっ……」
思惑どおりの展開になったというのに、田島には怒りが込み上げてきた。
そこまでしてでも圭介を助けたいのか───
それほどまでに圭介に心を奪われているのかと。
皮肉な事に田島の計画は、はからずも麻美と圭介の愛の深さを証明する事になってしまった。
田島にとってそれは到底我慢できない屈辱だった。
「麻美……貴様本気か?本気で俺の奴隷になる覚悟があるか?」
「はい……圭介君のためなら」
「ならその覚悟を証明してもらう。今ここで奴隷の宣誓をするんだ。私は田島様の奴隷になりますと大きな声で言ってみろ」
田島は焦っていた。
すぐにでも麻美に屈辱を与えなければ気が済まなかった。
自分以外の男に尽くす麻美など絶対に認めたくなかったのだ。
「わ、私は……田島様の……」
「声が小さい!もっと大きな声で宣誓しろ」
「私は───田島様の奴隷になります!」
麻美は目をつむり泣きながら叫んだ。
この間、圭介は一言も口にしなかった。