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エンブレム──奴隷契約編
第11章 エンブレム

孤独な麻美が向かったのは、そのきっかけになったとも言える生徒指導室だった。
そこが全ての始まりだったのだ。
放課後と言っても今日はそこに田島がいるとは限らない。
だが麻美は田島がそこに居ると確信していた。
信頼していたと言ってもいい。
コンコンと軽くドアをノックするとすぐに指導室のドアが開き田島が現れた。
「ノック音でお前だとわかったぞ」
田島はニコリと微笑み麻美を招き入れた。
その表情は昨日までの鬼の田島とは全くの別人ようだ。
「圭介達は残念だったな。お前も応援に行ったんだろ?」
「はい、でも圭介君は意外と元気な様子でした」
「そうか。ところでどうして此処に来たんだ?約束通り今日でお前は自由の身だぞ」
田島はスッと椅子に座り、麻美にもパイプ椅子を差し出した。
麻美は静かにパイプ椅子に腰を降ろした。
田島の前に膝まずく事も挨拶を強要される事も今日の麻美には無かった。
「じゃあ今は先生と生徒の関係でいいんですよね?」
「ああ、もちろんだ」
「今日は一生徒として先生に相談があって来ました」

