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捨て犬
第13章 聞かないで
俺の思った通り
戸惑うエミ

色んな感情のエミを見るのが
嬉しいんだ





エミは
不安な顔をしながら
口に水を含み

そして
ゆっくりと
俺に顔を近づける


あぁ

ほんとに
キス迫られてるみたい


エミから
キスしてもらえるとか・・最高



スローモーションのように
近づくエミの
ちょっと湿った唇が

俺の唇に
触れた


ん・・

つめたい


このまま
舐めてしまいたい


けど
それをグッとこらえて
俺は
ほんの少し唇を開いた



ビチャッ



「ゴホッ…ゴホッ

わっつっ冷てっ

コン…コン…コンコンッ」




「ご、ごめ・・コンッコン」



「クスッ、いいよ。
水、含み過ぎだよエミ」



「う、うん・・」


自分から口移しすんの
初めてやったのか?
って聞きたかったけど
違うって言われたくなかったから
多分初めてってことにして
俺は
心の中でニヤけていた



「タオル取ってきて
俺、超冷たい(笑)」



確かスーツで眠ってしまった俺は
よく見ると
ワイシャツ姿になっていた


エミ

ズボン脱がしてくれたんだ・・



なんて思いながら
俺は
ワイシャツもTシャツも脱ぎすて
ベットの上に座ったまま
エミが持ってきてくれた
タオルで体を拭いた


寒っ


当り前だ
俺、パンツ一丁じゃん



「エミ・・寒い」


「あっ、うん」


エミは
急いで俺に
布団をかけてくれた


その布団に包まってみたけど
やっぱ寒い


「まだ寒い」


そう言って
布団から手を出し
俺は
エミの腕をつかんだ


その腕をゆっくりと

ひっぱり



俺は

エミを

布団の中へと
引きずり込んだ





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