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捨て犬
第18章 えっ?
その日は
メールのことも気になり
早めに残業を切り上げて
家に帰ると
エミは
いつものように
俺を出迎えてくれた


「ただいま
寒いからか腹が減って
死にそうだよ
エミ、今日のご飯なに?」

「キムチ鍋」

「すっげ~最高じゃんっ!」

「すぐできるからね」

って、頬を緩めるエミが
今日も可愛い


メールのことは
気になってたけど
わりと機嫌のいいエミをみて
ホッとしながらスーツを脱ぎ
俺はテーブルの前に座った

エミは鍋の準備が終わると
俺にビールを手渡してくれて

そして・・・

いつもの場所じゃなく
俺のすぐ隣に座った

ん?

どした?

バイトにも慣れて
そんな甘えることも
なくなってたから
側に座るなんて久しぶりだな・・

何かあったんだろうとは
思ったけど
とりあえず俺は
黙ってエミを横に座らせ
エミの皿に
鍋の具をとりわけてやった
するとエミは
自分でそれを食べ始め
俺にビールを注いでくれたりする

うん

末期的症状じゃないらしい

少し
安心した俺は
メールの話をしてみることにした


「あ、エミ、忘年会がどうしたって?」

「あ、あのね・・・
パン屋さんで忘年会するんだって」

「あぁ忘年会な。
そんな時期だよなぁ・・それで?」

「来てって」

「うん。そりゃそ~だろ」

「行くの?」

「行かなきゃな」


「・・・・・」


「どうした?」



「知らない人、来る」


あぁ・・・そういう事か
知らない人がいるから
もう不安になってんだな
それで今日は
隣に座ってんのか


「エミ、こっち来るか?」

と、俺は膝を叩いて見せた


「うん」

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