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捨て犬
第18章 えっ?
「遅くなりましたっ!!」
「あ、カズマくん
エミちゃんがお待ちかねよ!
早く行ってあげて?」
「あ、おばさん
遅れてすみませんでした」
「そんなこといいの
エミちゃん待ってるわ
お料理、全然食べてないのよ
緊張してるのかしらねぇ・・」
「そうかもしれないです。
でも、もう大丈夫ですから」
俺はおばさんに頭を下げて
急いでエミの席へと移動し
心細そうなエミの隣に座った
そしてすぐに
テーブルの下で
エミの手を握りしめた
「遅くなってごめんな」
「・・ん・・」
エミの手は
汗ばんでいた
ほんと…ごめんな。
エミの手を
俺の膝の上に置いて
優しく手をさすってやると
エミは
ちょっと
泣きそうな顔をした
「緊張すんな
俺がいるんだから大丈夫。な?」
エミは頷いてくれたけど
黙ったままだ
「うまそうな料理ばっかりなのに
エミ、全然食ってないじゃん」
「・・うん」
「待っててくれたのか?」
「・・えっ・・」
そんなわけねぇよな
知ってるよ
食えなかったんだろ?
緊張して・・不安で・・。
「だよな~
俺と食いたかったんだよな?
エミは、ほんとかわいいよ
さ、一緒に食おうな?」
「・・うん」