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捨て犬
第19章 見せらんねーのかよ!
「ただいま~」


玄関で
なるべく明るく声を掛けると
エミは
奥の部屋から出てきて
ゆっくりと俺に近づいた


「おかえり・・・なさい」


俺の目を見ないエミが
まるで出会った頃のエミみたいで

悲しくなる


「遅くなって・・ごめんな?」


少し
怯えてるエミに
短くて軽いキスをすると

エミは
少しだけ俺の目を見て
そしてまた
目線を外した


「もう飯できてる?
俺、腹へった~」


「できてる。
すぐに出す」


そう呟くと
エミは
急いで台所へと消えていった

エミと出会った時も
あんな感じだった
言葉はぶっきらぼうで
感情がなく

まるで・・ロボット

エミを見れば見るほど
俺は
切なくて
たまんなくなった

俺が・・悪いんだけどさ。



しばらくすると
テーブルに飯が並び
俺達はまた静まり返った

腹減ったなんて嘘だからだ

箸を持つ気にもなれない
ほんとは
一口も食べられない心境なんだ


エミは
膝を抱えて座り
とにかく黙ったまま
うつむいていた


早く

とにかく早く
あやまんなきゃ


「エミ」


「・・・・」


「あのさ・・」


「・・・・」


「ごめんな」


「・・・・」


「ちょっと…
怖かったよな、俺」




「・・・・・」



うつむいたままのエミは
何も言わず
ピクリとも動かない



「許して・・・くれないか
本当に・・ごめん」




「………」



どうしよう

もう
許してもらえないかもしれない



もうエミに
甘えてもらえないかもしれない

エミが
いなくなるかもしれない


嘘だろ…


嫌だよそんなの!
許してくれよ!


「なぁ、エミ・・」


その言葉に
エミはやっと
顔を少し上げて

俺に
顔を見せてくれた


その
エミの頬には


涙が流れていた



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