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捨て犬
第21章 さわんなっ!!

呼吸することさえ
・・・忘れちまいそう

俺は
なんとなく
ボーっとしていて
これから
どうすればいいのかも
思いつかず
ふと
煙草に火をつけた

一度
火をつけるために吸った煙を
すぐに吐き出し
二度目は肺の奥深くまで
煙を吸って
ふ~~っと
いつもより大きな息を吐くと
いつか見たような煙が
俺の目の前に現れた


「クスッ・・」

その煙は
エミにずっと優しくするって
俺の心の中で誓った
あの日の煙に良く似ていて
俺は
苦笑いをしてしまった


ほんと
ダメだな男だ俺は


「エミ
突っ立ってないで座れよ
もう・・
ひどいことしねぇから」


俺は
ベットからゆっくりと立ち上がり
まだ立ちつくしてる
エミの手を優しく握って
ベットに座らせた


それから
俺の煙草が終わるまで
俺達は何も話さず
静かな時間だけが
過ぎて行った


なぁエミ
なんで何も言わないんだ?

なんで
何も話してくれないんだよ

どうして


いい訳
してくれないんだよ・・

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