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捨て犬
第5章 気持ちいい?
家出少女を泊めてやる
ではなく
同棲という暮らしが始まって
俺は
月曜日から金曜日まで
毎日仕事に出かけた


仕事に出かける前に
エミに昼飯代を渡すと
エミは俺が帰ってくるまでに
洗濯と掃除をしていた


洗濯と掃除は
案外上手にやっていたけど
料理は
全くできないみたいだった



仕事が終わると
俺はまっすぐ家に帰り

毎日
緊張しながら
玄関の鍵を開け
そして
エミの靴があることを
確認してホッとしていた


よかった

今日も
エミは
ココに居る…って。



そんな週末の金曜日

俺は今日も
緊張しながらドアを
開けようとした


すると…


ん?なんか臭う


カレー?


多分俺の部屋から
カレー臭!

マジ?

嘘だろ、おいっ!


なんかすげー驚いたけど
その驚きは
すぐにワクワクに変わり
俺は急いで玄関のドアを開けた


すると
何も言わずに
無表情のエミが
玄関まで歩いてきて
俺の目の前で立ち止まった


「た、ただいま・・」


「うん」


ぅおいっ
そこ、お帰りなさいだろーが

いや、いい
とりあえずそれは
どーでもいい
それよりそれより!


「なんか
カレーの臭いするんだけど?」


「うん、作った」


「うっそ、すっげぇじゃん!」


急いで靴をぬいで
台所の鍋をのぞくと
確かに
鍋の中にはカレーがっ!!


すげー!
カレーだ!



カレー…


カレーなんだけども…さ…




台所の流しが
すっごいことに
なってるじゃねーかぁ〜


なんなんだこの
まだまだ使えそうな
お野菜達はよう

何をどうやって
切ったんだ?お前は。



いやいや
待てよ
コイツはまだ子供だ
褒めて・・・
褒めてのばしてやらねーと。



「や、やればできるじゃん
お前、すごいな」


味はどうかわかんねーけど


「うん」


う・・うん・・か・・
微妙な返しは
相変わらず
ま、まぁいーや


「俺、風呂入るから
その間に台所片づけとけよ」


「うん」


「よし」



で、俺は風呂場に
行こうとしたんだけど




・・ん?

んんん?



どうしたんだよそれ〜〜




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