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捨て犬
第6章 もっと・・・されたい?
エミの中に
入ったまま

俺は手をのばして
エミの右の頬に優しく触れた



「痛いのか?」



「痛くない…」



「唇・・・噛んでたろ?」



「緊張・・してる」



「何回もしたことあるだろ?」



何回どころか
何十回・・・

いや、もっと数えきれないほど・・・



「うん・・・」



「こっち、おいで」



エミを抱き上げて
座位になると

俺は
小さなエミを
あっためるように
両手で包み込んだ



「まだ、緊張してんのか?」



「……」



「もう、痺れたりしないから
大丈夫だよ」



「違う」



「何が?」



「気になる・・・」



「何が?」





「感じるかどうか

・・・・・心配」



エミ・・

お前はあんまり
しゃべらないけど

しゃべるとやっぱり
俺がドキッとするようなこと
ばっかり言うよな


感じるよ
多分


いや


頼むから

感じてくれ


「感じられるさ

エミ・・・

俺、お前に金渡すために
こんなことしてるんじゃないんだ

お前を抱きたいから

あ、いや

その・・気持ちよくなりたいから
とかじゃなくて

あ~・・・っ
くそっ
なんて言えばいいんだよ


俺は


俺は




お前が好きなんだよ」



わっ・・言っちまった

しかも
こんなカッコで
告白ってありえね~だろ~!



「えっ・・・」


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