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捨て犬
第8章 ひとりにすんな・・・
「エ、エミ…ごめん
俺、遅くなって…」
咄嗟に抱きしめられた俺は
プレゼントと仕事用のカバンを持って
突っ立ったままで
エミを抱きしめることも出来ない
それでもエミは
泣き止まないまま
俺をぎゅうぎゅう抱きしめる
エミが俺に
抱きついたのは
初めてだった
「帰って来て……よかった…」
俺の胸んとこから聞こえる
エミの微かな呟き
こんなに
寂しがってくれてたんだ
こんなにも
必要とされてたんだ
なんか…
なんか俺
エミが愛おしくて
愛おしくて愛おしくて…
胸が苦しいよ
「心配して…くれたのか?」
「うん…」
「なんで?」
「……わかんない…」
「・・・・そっか」
俺のことが好きだから?って
ホントは聞きたかった
「ひとりに…
しないで…
お願い」
そう言って
エミは
また俺にぎゅうっと抱きついた
抱きしめたい
キスしたい
めちゃくちゃキスしたい
あたりは真っ暗だけど
誰か見てるかもしれない
けど
そんな事は
ぜーんぜん関係ねぇ!!
俺は
プレゼントとカバンを
地面に置き
エミをぎゅうぎゅう抱きかえし
優しく
口づけをした
「お前をひとりになんて
するわけないだろ?
エミこそ…
どこにも行くな
俺を…
ひとりにすんなよな…」
「ん」
どうしよう・・
俺
エミの事
すげぇ
好きになってる