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The one …ただ一人の…
第22章 愛のカタチ
日向は力無くもたれる曄良の身体を抱きしめると、髪に顔を埋めた。
『曄良……激しい……大丈夫?』
「ん……あっ……はっ…大丈夫。」
日向は、曄良の中から抜くと、シャワーの湯を出し温度を確かめると曄良の身体を流す。
『少し、温まって。』
そう言うと、曄良を湯船へ導く。
日向は身体を洗い、シャワーで流すと、バスタオルで身体を拭く。
曄良がバスタブから日向を見上げている。
その仕草が可愛いい。
「日向は、入らないの?」
『一緒に入ると、また止まらなくなるから。』
日向は微笑むと、曄良の頭を撫でた。
さすがにもう、曄良の身体が心配になった。
少し反省をした。
曄良は湯船から上がると、バスタオルを渡され、身体を拭く。
2人で、用意してあった浴衣に着替えた。
『曄良……色っぽい…』
曄良のうなじが、艶かしい。
「もう……恥ずかしいよ。」
日向は、後ろから抱きしめると、うなじにキスを落とす。
ツーっと舌を這わすと、少し下の方に吸い付き、紅い華を咲かせた。
『ついた…オレのシルシ。』
曄良は、回された腕をキュっと掴んだ。
曄良の頭を掴み、ゆっくり唇を合わせた。

2人で屋上へ上がると、

ドドーーーーーン

打ち上げ花火が上がった。

「遅かったですね?」
入口に立って待っていた山下はニヤニヤしてる。

『あ。何かな、風呂で欲情して』
「また?」
『反省してる。』
山下は、曄良を見た。
もう既に、花火に目を奪われている曄良は、浴衣姿だからか、艶を帯びて、何だか色っぽい。
『曄良、座ろう?』
「あっ、うん。」
山下は、席に案内すると、食べ物を取りに行く。
適当に見繕って、曄良達のテーブルの上に並べた。
周りは既に酔っ払って、其々に花火を楽しんでいる。
『お前も座れよ。』
山下に声を掛け、山下は遠慮がちに曄良の隣に座った。
曄良は、日向の腕に絡め、肩に寄りかかるように花火を見ていたが、反対に座った山下をふと見つめ、そっと山下の手を取った。
山下は、曄良を見つめる。
「曄良さん…愛してます。」
山下が呟いた声は、花火の音に掻き消されたが、山下は気にしなかった。
なぜなら、曄良の手に一瞬力がこもったから。
山下は、それだけで満足だった。

3人は、食べるのも忘れ、夜空に上がる無数の花火をいつまでも見ていた。
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