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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第12章 もっと深い トコロ で

「次のご褒美は何がいい?」
彼女の目に汗が入ってしまわないように親指でぬぐってやる。
…それと同時に、目尻から零れる涙を舐めとった。
「挿れてほしい?──…それともキスかな」
「…ン……、ハァ、もう……だ、め」
唇に触れるだけのキスをされながら、ミレイは震える瞼を上げて彼を見上げる。
視線が合う……
彼の目がとても優しく見える。
これも紅茶を飲んだせいなのだろうか。
「ふ……、すっかり良い顔をするようになってくれたね…ミレイ」
「──…ん…」
「僕の熱にうかされて…素敵だ」
潤んだ瞳で見詰めてくる彼女に、スミヤは満たされた笑顔を向ける。
普段より色っぽくて…それでいて美しい彼の顔に
朦朧( モウロウ )とした意識のなか、見とれてしまう。
それでも…
その美しい笑顔は、どこか狂気に歪んでいる。
ミレイにはそう見えた。

