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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第13章 逃走

「急に立ち止まってなんかあった?」
「ぁ…ごめん。何でもないの…っ」
新学期が始まってのこの季節、LGA運営のここ購買部は生徒でいっぱいだ。
ミレイ達は、今日の授業で指示された道具を買うために同級生数人でやって来たのだ。
置いていかれそうなミレイに気付いたナツは、人の流れに逆らって戻ってきた。
「他に買うもん見つけた?」
「う?ーんと…。ちがう、ちょっと考えごとっ」
「ならいいけど…」
ぼーっとしていたミレイは誤魔化すように笑顔を向ける。
ナツはそんな彼女を怪しんでいる。
「…朝から具合でも悪いの?授業前からそんな感じだけどさ」
「そ…そうかな」
ミレイは顔を伏せて、彼と目を合わせないようにした。

