この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第14章 訊問

ミレイは咄嗟に玄関に顔を向ける。
「久保山くん?」
彼が戻ってきたのだろうか。
カチ…
飲み物を買いに行くと言っていた。
カチ…
いい加減、帰ってきてもおかしくない頃合い。
でも……
──カチッ
「…ッ…だれ…?」
横向きになっている鍵のつまみ。
カチカチと音はするのだが、つまみは依然、動かないままだ。
彼女の目が玄関のドアに釘付けになっていると…
“ ……開いた ”
ガ──チャ‥
何かが上手く噛み合った音がして
つまみがようやく、縦に回った。
「‥久保山、くん‥‥でしょ‥?」
「…残念ながらね」
「──…っ」
嫌な予感とは当たるもので
ドアを開けたその隙間から姿を現したのは、ナツであるはずがなかった。

