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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第14章 訊問

「──…」
スミヤが彼女に振り返る。
口許の笑みはとっくに消えていて、固く唇を閉じたままミレイを見下ろした。
「…スミヤさん…?」
「……」
何だろう。
自身に向けられた彼のその目が、何か明確な感情を含んでいる気がした。
怒っている?困っている?
…いや、どれも違う。
ふと、ミレイの中にある言葉が浮かんだ。
“ まさか…。そんなわけない…”
スミヤさんがわたしにそんな感情を抱くわけない。
でも、なら……彼のこの目は……。
「──…おやすみ、ミレイ。もう僕から逃げないでね。…ちゃんと愛してるから」
スミヤはきびすを返し、カルロの前にミレイを残して廊下を去っていった。

