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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第21章 兄弟喧嘩

突き放されたカルロは、軽く数歩 後退する。
「……ハ、笑えるな」
そこで意味ありげに笑いながら、自分よりも僅かに背の低い弟を見下ろした。
「──…お前…、この女が好きなのか」
「はぁ?」
「俺の物、…か。…なかなか恥ずかしい台詞を吐くじゃあないか。なぁ?」
「…ばッッ…かじゃねぇの…!!」
「自分の持ち物には…印くらいつけときなよ」
あっけらかんとしているミレイをよそに、カルロは椅子にかかった上着を手に取ると、肩にかけてふらふらと歩き出す。
「…素直に言えばどうなんだ?」
「……!!」
ハルトの真横で立ち止まり──
「安心しろ。俺はこの女に何の興味も、ない」
すれ違いざまにそんな言葉を残した。
.......
「……くそっ!また…っ」
ハルトは小さく悪態をついた。
そして背後に振り返り、立ち去ろうとするカルロに向かって叫ぶ。
「──待てよ!」
「……、何?」
「…っ…そこから見とけ…!!」
彼を呼び止めた後
座るミレイに向き直り、椅子に片膝をのせて被さった。

