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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第25章 書庫

そんなミレイの声が震えているのを、カルロは聞き逃さない。
「俺が " あの男 " と似ている事が、嫌なのか」
彼女を抱き締めた腕をそのままに、床に散らばる本を見下ろしつつ話した。
「ハっ、そうだろうな…。あいつは…あんたの母親を殺した男だ」
「……っ」
「…ついでだ。よくよく…覚えておきなよ」
抱き締める腕に力をこめる。
ミレイが……耳を塞げないように。
「俺はその男の息子だ。母親の仇と…同じ血が流れている」
「…し、…知って います…!!」
「……いいや、あんたは、わかっていない」
東城ヒデアキはカルロ達の父親だ。
そんなことは、ミレイだってとっくに知っている。
それでも、あんたは何もわかっていないと…カルロは繰り返した。
「俺はあいつと、同類…」
「違う…っ、カルロさんは理事長とは違います!顔や趣味が似ているからって…全部が同じわけじゃない!」
「──…クッ、そんなこと」
そんなこと…
俺が何より、望んでいたさ…──。
───……
それは13年前
母さんが死んだ、前日の夕方

