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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第5章 凍れる月~生涯の想い人~
ソヌの指摘はけして間違ってはいない。側室ならまだしも、女中の梨花が都随一と呼び声の高い大商人の跡取り息子の嫁に迎えられる日など、永遠に来ない。
いかに南斗が切望しようと、南斗の両親である尹氏夫妻が認めはしないだろう。尹家には、その体面と財力にふさわしい家門から妻を迎えねばならないし、その力をもってすれば、両班の姫を娶ることも不可能ではない。
一体、南斗にそのことをどうやって説明すれば良いのか。
途方に暮れた梨花が口を開きかけた時、梨花は突然、引き寄せられた。
強く、骨が砕けるのではないかと思えるほどの力で抱きしめられる。
「若さま?」
見上げると、すぐ前に南斗の端整な顔があった。そのまま唇と唇が重なる。
いかに南斗が切望しようと、南斗の両親である尹氏夫妻が認めはしないだろう。尹家には、その体面と財力にふさわしい家門から妻を迎えねばならないし、その力をもってすれば、両班の姫を娶ることも不可能ではない。
一体、南斗にそのことをどうやって説明すれば良いのか。
途方に暮れた梨花が口を開きかけた時、梨花は突然、引き寄せられた。
強く、骨が砕けるのではないかと思えるほどの力で抱きしめられる。
「若さま?」
見上げると、すぐ前に南斗の端整な顔があった。そのまま唇と唇が重なる。