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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第5章 凍れる月~生涯の想い人~
念のため、チョンハに走り書きの内容と同じ文章を書かせてみたが、実際の彼女の筆跡は走り書きほど拙くもなく、全く似ても似つかなかった。
―もしかしたら、ソヌの仕業かもしれません。
チョンハが蒼い顔で南斗に訴えた。
―それは、一体、どういうことなのだ?
若い主人の常にない険しい表情を見て、チョンハは身を竦ませ震える娘を怖がらせないように極力穏やかに南斗が訊ねると、チョンハは震えながら言った。
―ソヌは海棠がお屋敷に来た日から、ずっとあの娘に眼を付けていたんです。海棠が一人でいると、いつも側に寄ってきて身体を触ろうとしたり、嫌らしいことを言ったりするので、海棠はソヌが怖いと怯えてました。
チョンハの言葉を聞くなり、南斗は念のために愛用の剣を携え部屋を飛び出した―。
―もしかしたら、ソヌの仕業かもしれません。
チョンハが蒼い顔で南斗に訴えた。
―それは、一体、どういうことなのだ?
若い主人の常にない険しい表情を見て、チョンハは身を竦ませ震える娘を怖がらせないように極力穏やかに南斗が訊ねると、チョンハは震えながら言った。
―ソヌは海棠がお屋敷に来た日から、ずっとあの娘に眼を付けていたんです。海棠が一人でいると、いつも側に寄ってきて身体を触ろうとしたり、嫌らしいことを言ったりするので、海棠はソヌが怖いと怯えてました。
チョンハの言葉を聞くなり、南斗は念のために愛用の剣を携え部屋を飛び出した―。