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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第1章 燐火~宿命の夜~
「確かに、おじさんたちは私の父上と母上を殺した憎い仇だけれど、本当なら殺されても仕方のない私の生命を助けてくれるもの」
ふうむとまだ半信半疑で首をひねる男の杯に、梨花はたっぷりと酒を注いだ。
「さ、おじさんもどうぞ」
「俺ももっとくれ」
新顔の男が空になった杯を突き出し、梨花はまた溢れんばかりに酒を注いでやった。
「それにしても、可愛いなぁ。十年待たなくとも、数年でたいそうな美人になるぜ。見ろよ、この吸い付くような雪膚。触り心地もさぞ良いだろう」
男はニヤつきながら手を伸ばし、梨花のふっくらとした頬を触る。
―気持ち悪い。
汗ばんだ手のひらの感触に思わず嘔吐(えづ)きそうになるも、ここはひたすら堪えるしかない。
「おじさんの娘さんも私くらいなの?」
無邪気に訊ねると、男は何度も頷く。
ふうむとまだ半信半疑で首をひねる男の杯に、梨花はたっぷりと酒を注いだ。
「さ、おじさんもどうぞ」
「俺ももっとくれ」
新顔の男が空になった杯を突き出し、梨花はまた溢れんばかりに酒を注いでやった。
「それにしても、可愛いなぁ。十年待たなくとも、数年でたいそうな美人になるぜ。見ろよ、この吸い付くような雪膚。触り心地もさぞ良いだろう」
男はニヤつきながら手を伸ばし、梨花のふっくらとした頬を触る。
―気持ち悪い。
汗ばんだ手のひらの感触に思わず嘔吐(えづ)きそうになるも、ここはひたすら堪えるしかない。
「おじさんの娘さんも私くらいなの?」
無邪気に訊ねると、男は何度も頷く。