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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第7章 哀しい現実
死んでいると思っていた兄が生きていると知れば、梨花はどれほど歓ぶことだろう。
「あの事件で助かった三人というのは、海棠、あなた、そして、兵判大監の若君だったと」
「そのとおりです。お嬢さまは、乳母がお連れてして逃げ、若さまは私がお連れして、ひそかに難を逃れました。ですが、乳母は、お嬢さまを連れて逃げる途中、刺客どもに斬られ絶命したのですよ。乳母もまた憐れなことをしました」
ジュソンは涙声で語った。
ソルグクは勢い込んだ。
「それで、若さまは今、どうしていらっしゃるのですか? もちろん、お元気でいるのでしょう」
「もちろん、ご無事でおられます。北斗商団の大行首尹北斗さまのご嫡子として暮らしておいでです」
「―!」
ジュソンの科白がソルグクの耳の中でわんわんとこだました。
「あの事件で助かった三人というのは、海棠、あなた、そして、兵判大監の若君だったと」
「そのとおりです。お嬢さまは、乳母がお連れてして逃げ、若さまは私がお連れして、ひそかに難を逃れました。ですが、乳母は、お嬢さまを連れて逃げる途中、刺客どもに斬られ絶命したのですよ。乳母もまた憐れなことをしました」
ジュソンは涙声で語った。
ソルグクは勢い込んだ。
「それで、若さまは今、どうしていらっしゃるのですか? もちろん、お元気でいるのでしょう」
「もちろん、ご無事でおられます。北斗商団の大行首尹北斗さまのご嫡子として暮らしておいでです」
「―!」
ジュソンの科白がソルグクの耳の中でわんわんとこだました。