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第7章 哀しい現実

　ジュソン―、彼は今、どこでどうしているのだろう。父北斗も南斗には恩義のある人だけれど、ジュソンもまた彼には恩人であった。
　身体を張って南斗を助けてくれた忠義心に厚い家僕のお陰で、南斗は危機一髪のところ難を免れたのである。あの呪わしい宿命の夜、盗賊を装った刺客は寝所で眠っている両親を殺し、更に異変を嗅ぎつけて騒ぎ始めた奉公人を片っ端から殺していった。
　その一方で、林家の二人の子どもである南斗（当時はソンジュン）と海棠（梨花）を探していた。刺客にとって、兵曹判書の二人の子どもたちは絶対に生かしてはおけぬ存在であった。
　あの夜、異変を早々と悟ったジュソンはいち早くソンジュンの部屋を訪れ、彼を連れて逃げた。その時、既に両親は惨殺された後だった。
　ジュソンに手を引かれて逃げながらも、ソンジュンは両親の安否が気になって何度も後ろを振り返った。