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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第8章 終焉
「そうだ、俺はお前に話さなかった。お前に話す代わりに、南斗に話したんだ。生き別れになった妹がお前だと、お前らは実の兄妹なんだから、海棠と別れて欲しいと言った」
刹那、梨花の中で閃くものがあった。
だからこそ、南斗は自ら生命を絶ったのだ。南斗にとって、梨花は生涯の想い人と定め、どんな障害があろうとも共に手を携え乗り越えようと固く誓い合った女であった。その惚れに惚れ抜いた相手が血を分けた妹だったと知り、絶望して死を選んだ―。
「何故、そんなことをあの方に話したの?」
涙が、溢れた。
「海棠、酷い言い様だが、俺にとって大事なのは、お前だ。あの若さまとお前とどちらを取るかと言われれば、お前の幸せを守る方を取るのは当然だ」
ソルグクは、涙ぐむ梨花を眉根を寄せて見ている。それは胸に湧き上がる痛みを堪えているようでもあった。
刹那、梨花の中で閃くものがあった。
だからこそ、南斗は自ら生命を絶ったのだ。南斗にとって、梨花は生涯の想い人と定め、どんな障害があろうとも共に手を携え乗り越えようと固く誓い合った女であった。その惚れに惚れ抜いた相手が血を分けた妹だったと知り、絶望して死を選んだ―。
「何故、そんなことをあの方に話したの?」
涙が、溢れた。
「海棠、酷い言い様だが、俺にとって大事なのは、お前だ。あの若さまとお前とどちらを取るかと言われれば、お前の幸せを守る方を取るのは当然だ」
ソルグクは、涙ぐむ梨花を眉根を寄せて見ている。それは胸に湧き上がる痛みを堪えているようでもあった。