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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第2章 転生
だって、自分は人を殺してしまったのだから。
梨花は自分の両手をひろげ、じいっと見入った。
「私、人を殺したの」
えっ、と、少年が声を上げる。
「まさか、嘘だろう」
梨花のように幼い少女が〝人殺しをした〟と口にして、確かに信じる者の方が少ないだろう。
「先刻、あなたが私に呑むようにと勧めてくれた薬。私、あれが一瞬、毒薬に思えてしまったの。私が毒で人を殺したから、だから、あの薬が毒に見えたのかもしれない」
「ごめんなさい」
梨花は眼を伏せた。眼の前の少年に謝っているのか、自分がこの手で殺した男たちに詫びているのかすら、判らない。
「倒れていたときに着ていた夜着の血は、私が殺した男たちのものも混じっています」
梨花は自分の両手をひろげ、じいっと見入った。
「私、人を殺したの」
えっ、と、少年が声を上げる。
「まさか、嘘だろう」
梨花のように幼い少女が〝人殺しをした〟と口にして、確かに信じる者の方が少ないだろう。
「先刻、あなたが私に呑むようにと勧めてくれた薬。私、あれが一瞬、毒薬に思えてしまったの。私が毒で人を殺したから、だから、あの薬が毒に見えたのかもしれない」
「ごめんなさい」
梨花は眼を伏せた。眼の前の少年に謝っているのか、自分がこの手で殺した男たちに詫びているのかすら、判らない。
「倒れていたときに着ていた夜着の血は、私が殺した男たちのものも混じっています」