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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第3章 運命の邂逅
両開きの扉を開けると、そこに壮年の男が立っている。身の丈はそう高くはないが、肩幅もあり、逞しい体軀をした男だ。鐔広の帽子に落ち着いた濃紺のパジチョゴリは落ち着いた雰囲気ではあるが、上等なものばかりだ。そのいでたちから庶民ではないことは判る。
「私はさるお方から依頼され、こちらのご病人を往診にきた者です」
「往診? お医者さまなのですか?」
何故か、その刹那、掏摸から財布を取り戻してくれたあの男の顔が浮かんだ。
愕きに声を上げる梨花の背後から、ソルグクが顔を出した。
「先生、申し訳ないけど、うちのところはお願いした憶えはありません。無駄足踏ませちまって済みませんが、お引き取り頂けませんか」
「お兄ちゃん! 何を言ってるの? 折角の機会なのに」
「私はさるお方から依頼され、こちらのご病人を往診にきた者です」
「往診? お医者さまなのですか?」
何故か、その刹那、掏摸から財布を取り戻してくれたあの男の顔が浮かんだ。
愕きに声を上げる梨花の背後から、ソルグクが顔を出した。
「先生、申し訳ないけど、うちのところはお願いした憶えはありません。無駄足踏ませちまって済みませんが、お引き取り頂けませんか」
「お兄ちゃん! 何を言ってるの? 折角の機会なのに」