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君が泣かないためならば
第8章 て
「それでも相談してほしかったわ」
3人が3人にしか注意を払っていない時に
いきなり第三者の声が、夜の社内に響いた。
「私は信用できないのかしらん」
そう言ってにっこり笑った紗江子ちゃんが、綺麗な顔をして
影から現れた。
手には見せびらかすようにテープレコーダーが握られている。
「いやん。私ってば用意周到。さすが秘書課」
そう言って重田さんの神経を逆なでした。
「それをよこせよ」
テープレコーダーを奪い取ろうとした重田さんに紗江子ちゃんは
「無駄よ。証人がいるもの」
と、自分が出てきた影の方を向いて再び綺麗な顔で笑う。
「まったく。テレビドラマじゃないんだから」
と苦笑いをしながら、経営管理の新田部長が現れた。
「重田、全部聞かせてもらった。
明日の朝一番で辞表を出せ。それで目をつぶってやる」
「新田部長!」
「それが嫌ならこのことは明るみに出す。極地でくすぶってもらう。
俺がこの会社にいる限りキミの中央復帰はないと思え」
「新田部長、話を聞いてください」
「言い訳は聞かない。十分すぎるほどお前のやりたかったことは聞いたからな」
新田部長のその言葉に重田さんは舌打ちした。
3人が3人にしか注意を払っていない時に
いきなり第三者の声が、夜の社内に響いた。
「私は信用できないのかしらん」
そう言ってにっこり笑った紗江子ちゃんが、綺麗な顔をして
影から現れた。
手には見せびらかすようにテープレコーダーが握られている。
「いやん。私ってば用意周到。さすが秘書課」
そう言って重田さんの神経を逆なでした。
「それをよこせよ」
テープレコーダーを奪い取ろうとした重田さんに紗江子ちゃんは
「無駄よ。証人がいるもの」
と、自分が出てきた影の方を向いて再び綺麗な顔で笑う。
「まったく。テレビドラマじゃないんだから」
と苦笑いをしながら、経営管理の新田部長が現れた。
「重田、全部聞かせてもらった。
明日の朝一番で辞表を出せ。それで目をつぶってやる」
「新田部長!」
「それが嫌ならこのことは明るみに出す。極地でくすぶってもらう。
俺がこの会社にいる限りキミの中央復帰はないと思え」
「新田部長、話を聞いてください」
「言い訳は聞かない。十分すぎるほどお前のやりたかったことは聞いたからな」
新田部長のその言葉に重田さんは舌打ちした。