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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体


それからも、思い出してはドキドキしそうになる心臓をなんとか抑えて、約100個のサンドイッチを完成させる。

やっと終わった……。

ボールやヘラなどの洗い物を集め、流し台に置いて水に浸す。

これを洗い終わったら休憩をもらおう、なんて考えながらまな板に洗剤をかけていると

「おざーす」

少し気怠げなあいさつが後ろから聞こえてくる。どうやら彼が来たらしい。

「おはよう、宮野くん」

「……うっす」

ダンボールを持った業者の彼だ。


彼が運んでくるのは、コーヒー豆から紅茶のティーパック、牛乳などのドリンクの材料。そしてテイクアウト用の紙袋にサンドイッチ用の卵、ツナ、ポテトサラダと、店で使うもののほとんどだ。

彼から伝票を受け取ると、数を数えてチェックを入れていく。

紙袋類の入ったダンボールは事務所に置かれるため、私は一度事務所へと向かった。


「お疲れさま」

事務所に入ると、ちょうどダンボールをテーブルに置くところだった宮野くんに声をかける。

あれから何度も彼と顔を合わせ、雑談する程度には仲良くなったのだ。

「月曜は運ぶものが多すぎて大変なんすけど」

「まあ土日休みだからその分増えるのは仕方ないよね」

私は彼をなだめるようにそう言った。



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