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第6章 逮捕へ

だが、戦争の激化により、丙種合格者も召集対象者となる。
簡潔に例えるなら、目本男児たるもの兵士となった。

青年は戦場で「雲隠れ」とあだ名がつくほど、乱戦になると森の中に隠れ、挙句の果てには自分の腕を銃剣で斬りつけ「負傷した」と傷病兵として最前線から逃げる。

戦場でバカにされていた青年は戦後、無事に家路に着くと地元から英雄と称され、妻をもらい、地元の町役場の仕事も世話になる。

その青年と妻の間に生まれたのが、小田向樹の父である。

小田の父は祖父のコネで入れる町役場を断り、建築業を営んだ。
実家は二階建ての大きな屋敷に広大な敷地には田畑がある。

小田の父は建築と農業に力を入れ、後に姉の夫の弟の妻の妹を紹介され結婚。
その妹が小田向樹の母だ。