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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第3章 LessonⅢ 悪意ある噂
「口は災いの元ともいうわ。私は以前にも一度、そのせいで大変な迷惑を蒙ってるの。だから、気をつけた方が良い。三度目はないと思うわよ、私って、こう見えても、あまり気が長い方じゃないんで」
「あっ、わっ、判りまひた」
今のひとことは岩田にとどめを刺すのには十分過ぎたらしい。何故、もっと早くにこうしておかなかったのかと、その時、輝は真剣に後悔した。愚か者には情けは無用。要らざる情けなんてかけるだけ無駄で、結局、恩を仇で返してくるにすぎないのに。
まだガクガクと震えている岩田を残し、輝はさっさと歩き始める。エレベーターでは、人事課の鈴木佐枝と一緒になった。輝よりは数歳は年長だが、彼女は既に結婚し一児の母である。数年前に育休から復帰してきたという経緯(いきさつ)があった。
「あっ、わっ、判りまひた」
今のひとことは岩田にとどめを刺すのには十分過ぎたらしい。何故、もっと早くにこうしておかなかったのかと、その時、輝は真剣に後悔した。愚か者には情けは無用。要らざる情けなんてかけるだけ無駄で、結局、恩を仇で返してくるにすぎないのに。
まだガクガクと震えている岩田を残し、輝はさっさと歩き始める。エレベーターでは、人事課の鈴木佐枝と一緒になった。輝よりは数歳は年長だが、彼女は既に結婚し一児の母である。数年前に育休から復帰してきたという経緯(いきさつ)があった。