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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第3章 LessonⅢ 悪意ある噂
「何か言いたいのなら、一対一でちゃんと聞くわよ?」
「い、いえっ。済みませんっ。本当に申し訳ありませんでした」
 真ん中の子が頭を下げた途端、右端の子はワッと泣き出した。つられたように左端の子も泣いている。
 ああ、やってられない。女の涙は武器だといって、さんざんバッシングを受けた政治家がいたけど、どうやら間違いではなかったようね。
 輝は呆れたような顔で三人の受付嬢を眺め、首を振りながら去った。三人の女の子たちはまだ派手に泣いているようであったが、慰めるつもりもないし、謝るつもりもなかった。
 〝本間の局〟が若い受付嬢を泣かせた―と、また不名誉な噂が一つ増えるだろうが、構いはしない。少しは意見してやるのも、考えようによっては、あの子たちのためでもある。輝は半ば自棄でそう考えた。
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