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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
「ある日、彼女が俺のバイトしている居酒屋に一人で来た。丁度、男と別れたその脚で来たらしくて、もう普段俺が知る彼女とは別人のように荒れてて、際限もなく酒ばかり飲んで。流石に見かねて止めて、到底、一人で帰らせられるような状態じゃなかったし、俺が彼女の下宿まで送っていった」
 その後は大体、想像がついた。輝には哀しいことだったけれど、その予想は聡の述懐と見事に符号してしまった。
「翌朝、隣で眠っている彼女を見ながら、男として到底、このままでは済まされないなと思ったんだ」
―お願い、行かないで、一人にしないで。
 そう言って泣きじゃくりながら取り縋ってくる彼女を、そのまま淋しい下宿に置き去りにはできなかった。もちろん、それでも最初は追いすがってくる彼女を何とか宥め落ち着かせようと試みた。
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