パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第6章 Ｌａｓｔ　ｌｅｓｓｏｎ　Ｔｏｍｏｒｒｏｗ～それぞれの明日

―私のことまで心配する必要はないのよ。あなたには、これから、あなた自身の生活がある。あなたが眞歩のことを忘れずにいてくれるだけで、私は十分だから。
　眞歩が生まれた病院で別れて以来、紗英子にも眞歩にも逢ったことはない。しかし、眞歩の一歳の誕生日に有喜菜と連名でプレゼントを送ってから、有喜菜の許には紗英子から時折、連絡が来るようになったようだ。
　逆に、有喜菜が紗英子に連絡をすることもあるらしい。直輝は結局のところ、紗英子を棄て有喜菜を選んだ。言わば、紗英子にとって、直輝と有喜菜は顔も見たくないほど嫌悪して良い相手だ。しかも、三人はかつての幼なじみという関係だった。
　普通なら、多分、絶縁状態になるだろうのに、奇跡的に紗英子と有喜菜の絆が細々と繋がっているのは、他ならぬ眞歩の存在があるからだろう。