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遅咲きのタンポポ
第1章 合コンのお誘い
「結城さん、今週の金曜日空いてる?」
先輩の高木さんから声を掛けられた。
高木さんから週末のお誘い…ってことは、
合コンの人数合わせかしら。
「4:4なんだけど、1人行けなくなっちゃって」
拝むように手を合わせられる。
やっぱりか。
「予定は、空いてます、けど…」
けど、あんまり気乗りはしない。
でも、高木さんには仕事で普段世話になってる分、断りにくい。
「本当に?じゃ、宜しく!あ、会費とかは心配しなくていいから。相手医者だし!完全オトコ持ちってことで話つけてるから!」
私が敢えて言葉尻を濁したことには一切触れず、都合のいいように解釈して一方的に切り上げられた…
まぁ、こうなるだろうな、って予感はしたんだけど。
私は、あんまり合コンに積極的になれない。
高々2〜3時間の飲み会で、しっかり相手を品定めしつつ、自分をアピールする程のコミュニケーション能力がないから。
お酒もあんまり飲めないし、アドリブも効かないから気の利いた受け応えも出来ない。
若いってだけで、先輩方にはそういう席で重宝されるけど、正直申し訳ないと思う。