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第1章 おにーちゃん、はじまりのはじまり。

「ねぇ、そら。今はおかーさんもおとーさんも寝てるよ」


「……ぅ、んっ…、はぁっ――…あ」


「声、我慢しなきゃね」






耳元でささやかれるそのくすぐったさに、あまりにも過剰に反応する。


海にいのすべてが、怖いくらいに体に染み込む。





コクコク、と首を縦にふる。

そして手で口を押える―――が、そんな努力は皆無。







「口は押さえちゃだめだよ、そら」







意地悪そうに笑う海にいに、火照った瞳で見つめた。