この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第7章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚
「今朝、出かけるとき…お前の口のなかがいつもより熱かった」
あ……
今朝、彼の出掛け間際に玄関先で口のなかを味わいつくされたことを思い出す。
「それに明け方のこともあったし…昼にあっちで会った時、お前の体調が悪化してるのはすぐにわかった」
………なら、
「どうして…怒らないの?アタシはそれを…」
渚くんに隠そうとしたんだよ…
しかし、二つ目の質問に彼は先ほどと打って変わって少し困ったような表情を見せた。そしてそのまま僅かに視線を落とす。
「渚…くん?」
「…わかってて呼んだんだ」
え…
思いがけない彼の言葉。
「お前の体調が優れないのをわかってて…お前をあそこに呼んだ」
「……ど…して」
「それは…」
珍しく歯切れの悪い返事だった。こんな彼を見るのは初めてで、少し戸惑いながらもベッドに身を預けながら彼の言葉を待つ。
「久しぶりの休みをどうしても千隼と過ごしたかったから…」
「………‼」
彼の美しくも艶のある顔が切なげに歪んだ。普段彼があまり見せないその表情に、アタシの視線は攫われ、胸が張り裂けそうなくらい締め付けられる。
渚くん…
「…だから謝るのはオレの方だ。わかっていたとはいえ、こんなになるまでお前に無理をさせた…」
─アタシ…どうしよう………
「お前は自分のカラダより、オレの子供みたいな我儘に応えようとしてくれた…」
胸が…
心臓が痛い…
「…嬉しかった」
─アタシ…っ…
「無理をさせて悪かったな…」
っ…!!