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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第2章 バレンタインの事情♡その①…千隼…
シンプルなデザインだけど、ピンクゴールドが肌に馴染んで、けして小さくない石の存在をより引き立たせていてとても華やかだ。
ってちょっと待って。
さりげなくつけてくれたのはいいけど、これお土産ってレベルじゃ…
「あの…」
「…!? あぁ、そんな高い物じゃねぇから、そんなに引くなよ」
…っては言うけど、貴殿方の"高くない"はまず桁が違うから…
そんなアタシの心中を察して目を細める渚くん。
ついでにちょっと赤くなった頬を撫でられ、眠たいせいかドSオトコの彼が普段あまり見せない柔らかな表情に心臓が飛び跳ねる。
「あ、う…じゃ、ありがと…」
「礼はいいよ」
ドッキンドッキンしてるところで、重なった唇に遮られる言葉。
「なぁ…寝るからカラダ貸せ」
あ…えっと…なんだって!?
「…わかんだろ、きのう寝てねぇんだよ。おかげでお前を抱いてない」
「ッ…それは…んん…」
鼓膜に響く低くて甘い声。
なんだかいつもよりカラダがゾクゾクしてしまう。
「千隼…」
「や…、っん…」
やめてぇぇぇえ!!
このオトコは今自分がどんなオーラを出してるかわかってるんだろうか。
いつにも増して人を殺せるような強烈な色気なんですけど…
クラクラしちゃう…
しかし、容赦なくとどめの一言がアタシを襲うのだ。
「言ったろ…お前がいないと眠れないって」
「………!!」
ズル…い…
そんなこと言われたら…すぐにでもその腕に抱かれたくなってしまうのに。