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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第10章 クリスマスなんて…☆【葵】
「……葵くん?急にボーッとしてどうしたの?さっきから手、止まってるよ?」
「えっ、あぁ…ゴメンゴメン。ちーちゃんが可愛くてつい見とれちゃって♡」
「ッ…、もぅ…。そうやってすぐからかうんだから。疲れたなら代わるよ?」
一緒に並んだキッチンで、そう笑いながらオレの手から泡立て器を取り上げるちーちゃん。
今年のクリスマスをふたりだけで過ごすことを約束してくれた彼女が、オレにとっては当たり前のひとことに頬をピンク色に染めたのはイヴの午後のことだった。
オレたちは今こうして、一緒に食べるケーキを作っている。
正直、料理もオンナのコも大好きなオレがこんな風に誰かと並んでキッチンに立つのは初めてじゃなかったけれど、
まさかこのオレがこうやって特定の誰かと、ましてや自分たちのクリスマスケーキに飾る生クリームを泡立てる日がくるなんて思ってもいなかったから。
だから…